文学の森についてABOUT

はじめに

 作家・太宰治(1909〜48年)が一時暮らしていた東京のアパート『碧雲荘』(東京都杉並区天沼)。この昭和初期に建てられた建物が2016年3月に解体することになりました。解体を惜しむ声が挙がるなか立ち上がったのが湯布院で『おやど二本の葦束』を営む橋本律子さん。
 橋本さんは2015年12月26日、東京の友人から碧雲荘 のことを聞き、所有者の田中利枝子さんの生家である碧雲荘 の思いも聞き、保存のために移築することを決めました。
 碧雲荘の移築を手がけたのは別府市の宮大工、神田眞男さん。これまで新潟や富山など築100年以上の古民家など、数々の文化財の移築に携わってきた、腕利きの職人です。解体は2016年2月から作業を開始。棟梁と二代目となる息子、孫の3人で作業しました。
 杉並区で解体された資材が湯布院に運び込まれたのは同年3月末。10tトラック3台分の資材を陸路で湯布院まで運びました。再利用する部材、廃棄する部材を見極め、昔の建物を現在の建築基準に合わせるのは大変でした。
 移築途中に熊本・大分地震により工事は中断。強い揺れに見舞われましたが基礎工事にかかる前であったため被害はありませんでした。しかし、工期が大幅に遅れたものの、本震から1年の節目に、建物は「ゆふいん文学の森」としてオープンし、歴史の新たなページが開かれることになりました。

碧雲荘 とは

 太宰治が1936年11月から約7カ月間、2階の8畳間に住み、代表作『人間失格』の原型となる『HUMAN LOST』などを執筆しました。
 太宰治が暮らした場所は、国内でも移築・公開されている青森県の「旧藤田家住宅」、山梨県にある現在は太宰治の記念館にもなっている「天下茶屋」と記念館として公開されている青森の生家「斜陽館」くらいしか残っていません。
 太宰が下宿していた当時の面影を偲ぶことができる貴重な文化資産です。建物の正面右の2階は『富嶽百景』に登場する“便所”があります。そこで太宰氏は衝撃の事実(妻の浮気)を知らされ、途方に暮れます。
——以下は『富嶽百景』からの抜粋——
三年まえの冬、私はある人から、意外の事実を打ち明けられ、途方に暮れた。その夜、アパートの一室で、ひとりで、がぶがぶ酒のんだ。一睡もせず、酒のんだ。
あかつき、小用に立って、アパートの便所の金網張られた四角い窓から、富士が見えた。小さく、真白で、左のほうにちょっと傾いて、あの富士を忘れない。

読む

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  • 心豊かに贅沢な時間を

    建物の中は、太宰関連の資料や昭和初期の文学全集など古書を交えた書棚があります。
    離れにはギャラリースペースを設けています。
    また、太宰が住んだ部屋以外の2階の4部屋は、読書部屋として貸し出します。
    1、2時間と言わず、一冊の本を読み終えるまで、心豊かに贅沢な時間を過ごしませんか?

    交換型古書店 『輪廻転読』

    自分が読み終えた”どこかのだれかに読んでほしい”本を、
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    本を手に取っては新しい読み手に手渡すという作業は、知識をリサイクルすることに他ならないのです。
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食べる

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  • 読書がススムおやつ

    お客さまの滞在時間は長く、2〜3時間いらっしゃる方も少なくありません。
    大分県の甘糀を使った「特選甘酒」、国産小豆を使用した「ぜんざい」、
    昔懐かしの「揚げパン」など、こだわりのおやつを用意しています。
    ゆふいん文学の森のコーヒー、紅茶はそんなおやつと相性のよいオリジナルブレンドです。
    この一杯がここで過ごす時間をより豊かにしてくれます。

買う

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  • こだわりのお土産

    太宰治氏をモチーフにしたオリジナルのグッズもこだわりました。
    文房具にカバン、読書のお供となる「かりんとう」や「かぼすのピーレ」などゆふいん文学の森でしか買えないお土産品を多数用意しています。

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